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2007.12.21

50号店出店を達成した(株)ダイヤモンドダイニングの急伸力とは?

 首都圏を中心にコンセプト・レストランを展開する(株)ダイヤモンドダイニングは2001年6月、銀座で1号店となる「ヴァンパイヤ カフェ VAMPIRE CAFE」を開店させて以来、多様なコンセプトを掲げ出店を続けてきた。「100店舗100業態」という既存のチェーン型多店舗展開企業とは逆の方向性を打ち出しながら、その出店スピードはめざましい。

 2003年に3店、2004年4店、2005年に11店、2006年に10店、2007年に21店と、わずか6年で折り返し地点の50店に到達。2011年には100店舗達成を見込んでいる。

 売上げも飛躍的に伸びている。2004年は4.04億円、翌年はほぼ倍の8.33億円、2006年17.53億円、2007円は35.04億円とほぼ前年比倍のスピード。2008年は59.93億円の年商を見込んでいる。
 急伸するダイヤモンドダイニングとは一体どんな企業なのか。

 展開する50店舗のコンセプトはとにかく多様性に満ちている。
 ブラッセリー、鍋専門店、ベルギービアパブ、カフェ、バルなど、よく知らないければ同じ会社が経営していることに気づかないかもしれない。面白い、行ってみたいと思わせるコンセプトづくりは、ドラキュラやおとぎの国、昔話などをテーマにした奇抜なもので、これまで展開したコンセプトの中には不倫をテーマとした風変わりな店もある。

Matsumura
 創業者である松村厚久社長は、開業時のインパクトの強さをもっとも重視している、と語る。
「すでに存在する業態の店を展開しても、誰も注目してくれません。『キワモノ』と呼ばれるかもしれないが、ある程度をインパクトがあるほうがメディア的にも効果的です。いくら良いもの作ってもメディアなどに取材され、みなさんに認知してもらわなければ、何も始まらないですから」
 その言葉通り、今年11月はテレビだけでも12の番組でダイヤモンドダイニングの店舗が紹介された。同じ店を出しても飽きられる。これが対メディア戦略、ひいてはそれらが代表する消費者に対してのスタンスだ。

 広報部長の重田委久子さんが言う。
「それぞれの店舗に強いクセがあるので、ゆえに各店に『私的な愛情』を持ってくれるお客様がいらっしゃいます。たとえば『ヴァンパイアカフェ』ではお店のコンセプトが大好きで、九州から上京してアルバイトに入った女性がいるほどです」
 コンセプトの「濃さ」に反応するコアユーザーは確かにいるが、それだけではない。店を支持しているのは、ごく一般的なお客だ。
 一見なんでもありで自由奔放な雰囲気が漂う店舗展開だが、一つだけ逸脱しないことがある。
「多業態とはいえども、飲食店というテリトリーから抜け出すことはありません。それは、飲食の世界とは異なる技術を求められるショーを開催したりすることも含みます」(松村社長)
 確かに「ヴァンパイアカフェ」はドラキュラ伯爵の家に食事をしにきたという設定。しかし決してドラキュラ伯爵本人はレストランに登場しないのだ。
「私たちのような素人が中途半端なショーをプロデュースしても、学芸会レベルで終わってしまう。料理や店のコンセプトで私たちの魅力を感じていただくのが本望です」
 一見マニアックな個性派コンセプトの店であっても、レストランはレストラン。その使い勝手のよさと、面白さの同居する点が支持されている理由だろう。

 これらの店舗を企画するいわばエンジン的存在が同社の「チームファンタジー」だ。出店する物件ごとに組むチームで、一店あたりエリアマネジャーを筆頭とし、所属部署を横断した5~6人のメンバーで構成する。出店のロケーションを元に、メンバーで最大限の顧客満足度と利益を産むコンセプトを、日々編み出している。
「これまでのチーム編成を経て、常に40店ほどのコンセプトをストックするまでになりました。出店が決まった時は、一から店のコンセプトを起こす場合もあれば、ストックをカスタマイズして適用することもあります」
 と松村社長はいう。創業当初から、社長自身がアイデアマンとして業態開発を推進してきたが、最近ではチームに任せられることも多くなってきた。

 当初の目標である100店舗100業態の折り返し地点に立ったいま。今後のダイヤモンドダイニングの展望を問うと、松村社長は身を乗り出してこう説明した。
「将来は高級フランス料理を手がけてみたいです。対外的にもダイヤモンドダイニングが客単価1000円以下の店舗から、1万円以上の店舗を手がけられるというサインにもなりますしね。また、海外展開ももちろん視野に入れています。僕ら、日本人が幸せに暮らしているのは、トヨタやソニーといった企業が海外で業績を上げ、日本国内に利益を還元しているから。僕らも飲食業界からそんな役割を担いたいですね」
 ダイヤモンドダイニングの高級フランス料理店に、お目にかかれる日もそう遠くないかもしれない。

Shigeta
重田さんは一貫して広報を担当。入社当初は数年後に
現在の規模にまで成長するとは想定外だったという。
「最初の10店まではお店の電話番号をしっかりと記憶
していたのですが、さすがに50店にもなると難しい(笑)」。
手にしているのはサッカー日本代表の旗(サイン入り)。
サッカー好きな松村社長の宝物だという。

(取材・文:ライター 柳澤大樹)

2007 12 21 [インタビュー ] | 固定リンク


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