あぁ、なんでなんで地方の宿はこんなことになっているのだろう。1階の大広間で朝食。黄色い沢庵に胡瓜のキューちゃん。あぁ、すべて台無し。
3月4日
昨日は2回お風呂に入り、朝5:00頃に目が覚めてしまい、朝の温泉、一風呂。
昨日は夜遅く、もう誰もいなかった。朝は朝で誰もいない。
誰もいない温泉、露天風呂は気持ちがいい。
6:00になるときっと大勢の人達が・・・1人風呂は気持ちよい。
このところ、温泉づいている。なぜかお風呂が好きになっている。
そしてまた眠る。5:30頃からグーグー。二度寝です。
8:30に目が覚め、1階の大広間で朝食。
え~、これかいなぁ。あぁ、なんでなんで地方の宿はこんなことになっているのだろう。
小さな焼き魚、市販の焼き海苔、そして温泉玉子、漬け物、あと何かあった。
あぁガクンと情けなくなる。
仲居さんが「ごはんのお代わりどうぞ」・・・この一言もつらい。
なんでこんなことになるんだろう。
黄色い沢庵に胡瓜のキューちゃん。あぁ、すべて台無し。
今日はぶらっと出掛けましょうかと思っていたのに。
「木村、どうする?この朝食・・・」
「自分のところで普通に作って出せばいいのです」
当り前のことを当たり前にすれば、そうだよ、簡単だ。
料理人が不精してはいけないよ。
女将さん、ちょこんと畳に正座して悲しげ。
「申し訳ございません。私が至らないので・・・
ずーっとずーっと思っていたんですが・・・なかなか変わってもらえない」
この朝ごはん、2人前用意して。
用意が出来たら料理長と2番を呼んで、さっき我々が食べたのと同じ朝ごはんを食べてもらう。
「さぁ食べなさい、遠慮しないで」二人は困惑気味。
私は二人に「嫌味っぽいやり方でごめんなさい。でもこうしないと分からないだろう。
どんな気持ちだい? うまいとかまずいの話ではない。情けない。
なんでこんな旅館選んだのだと、お客様はきっと後悔する。
一生懸命やったとしても最後の朝食がこれではね。日本中の宿が似たり寄ったり。
料理人達が一生懸命汗をかいて考えて努力しているところが生き残って、あとは潰れる。
君達は潰れたらまたどこか紹介してもらって別の宿に入る。この繰り返し。
ここらで腹を括ってちょっと頑張りなさい」
もうわかったろう。口で言ってもしょうがない。調理場に行くぞ、木村。
木村君、まず焼きたて出汁巻きたまご、頼むぞ。
それからうまい若菜があったなぁ。あれと豆腐、それで鍋だ。
たっぷり豆腐。湯豆腐のようにして出そう。
これでかなりのごちそうだ。
鯵の身がしっかりしたのも焼いて。
それから菜の花の白和え、芋の煮っころがし、野菜の一夜漬け。
地場で採れたあのバリバリの海苔。
それで朝ごはん。
なんと良い感じ。別段難しいことをしたわけではないのですが・・・
料理長、頼むよ、これでいいんだよ。
女将さん、ちらっと見ると目が赤くなっておりました。会長は相変わらずニコニコ。
朝礼。皆さんビシッと並んでます。
気がついた事、改善しなくてはいけない事、一人一人言ってください。
あの朝食はつらかったでしょう。スタッフの方々、お客様に持っていくの恥ずかしかったでしょう。
これからはその様なこと、嫌われてもきちんと言ってください。
お客様の喜ぶ笑顔のために、私達が生き残るために、
番頭さんに嫌われてもいい、小言こうべいになってください。
いい宿、いい人、そしていい料理。
さぁ今日から変わりましょう。
出雲の朝の一幕でした。




