8月2日 金沢の大森真由美さんからの依頼で、旅館を、新しいコンセプトでリノベーションをする仕事。旅館の仕事というだけで、ワクワクする。
8月2日
朝10時に羽田より金沢に向かう。
台風が近づいているということでちょっと気になるが、フライトは問題なし。
あっという間に小松空港到着。
今回は、金沢の大森真由美さんからの依頼で、
旅館を、新しいコンセプトでリノベーションをする仕事。
大森さんは、プロレスラー大森隆男さんの奥さん。
彼女は背が高くすらっとしていて、モデルさんのよう。
実家は金沢でホテル、キャッスル・インを経営していらっしゃいます。
すぐに現場へ向かう。
今回は、設計の若林くんと。
彼とは、九州で大きな旅館の再生を手掛けた。
雲仙「富貴屋」。その後も順調に推移しております。
旅館の仕事というだけで、ワクワクする。
それは、レストランがつまらないのではなく、
ホテルは、施設の魅力が重要なポイントになることを熟知しているから。
犀川の川辺にある、古くてちょっと朽ちた感じの旅館。
彼女は「社長、どう?」
私は一言、「いい感じ。大丈夫」
私の頭の中にさあっとイメージが広がる。
「ここは室生犀星の故郷なんです」彼女が説明してくれた。
旅館を隅から隅までまでじっくり、ゆっくり見る。
窓から別の建物が見えた。
「あの建物は?」
「あれね、私が住むんです。ボロだけど・・・」
「ちょっと見に行こう」
「え、あの建物をどうするんですか?」
旅館からその建物へは、狭い通路を通っていく。
「いいよ、これ」
「社長、本当にどこがいいんの?」彼女が金沢なまりで答える。
「ここを、ちょっとした甘味処かシャレたBARにでも。
離れの茶店BARがいいかなぁ・・・」
「やはり社長、すごいですね」
それから、金沢の町をくるくる歩き回る。
金沢味噌の老舗「中六商店」。
味噌、醤油、そして飴などいろいろ買いました。
彼女はきょとんとしている。
「社長、どうしてそんなものを買うの?」
次はお麩屋さん「不室屋」。ふーん、京都に似ているね。
そこでは麩饅頭を買いました。
次は、「森八」という皇室にも献上している有名な和菓子屋へ。
-----若林くんのお母様は裏千家の方で、彼はその店の和菓子を
買ってくるよう頼まれていた。
次は骨董屋。次々と町を見ていく。
暑い!汗びっしょり。でも、気にならない。
私が一番好きな時間だ。
若林くんは、今日、東京に戻る。
「鰻を買ってあげるから、飛行機で食べてね」
昼ごはんは地元の中華屋さんに。
彼女おすすめの店。「餃子がとってもおいしいんです」
-----心のなかでは、私の店で餃子を出しているって知っているのか?!
そのお店、レトロな日本の中華屋さん。
本当のところを言うと、味はごくごく普通。
餃子も普通、スープも特別評価できるほどではないが・・・、
そうだ!こういうのを忘れていたなぁ、”日本中華”。
私たちは本場中国ばかりを見ていた。ちょっと反省。
鍋は普通のコンロにかけていて、一回一回洗うわけではなし。
炒めているおじさん(おじいさんかな?)、可愛い雰囲気がある。
あぁ、この人あっての名店なんだと痛感。
頭の中で、金沢の大森さんの旅館を成功させなくては、という
気持ちが湧いてくる。
お母様はとても立派な方で、レポート用紙3枚に現状と今後の方向性を
ぎっしりと書いてくださっていました。
本当にありがとうございます。
真由美さんは、「お母さんはうるさいから・・・」
でも、そのお母さんに真由美さんも似ています。
お二人ともすごく気持ちのよい方たちです。
パキっとしていて、この方となら気持ちよく仕事ができると直感的に思いました。
お母さん、金沢の”雅”、僕はあまり好きではありません。
群青も、赤も、本物をいずれきちんと見たい。
加賀のお殿様、前田利家は立派な方。
その方のおかげで金沢は栄えた。
しかし、今、人々が求めているのは、”雅”ではなく、金沢のやさしさ、自然、
都心にはない地方の素朴さ。
ただし、大自然のある地方ではなく、文化を育んだ地方という特徴を持つ
金沢を、どう表現するかが私の仕事だ。
もちろん、予算の問題もある。
頭はぐるぐる急回転。
現場に来ると、急に力が溢れてくる。
夜は”金沢の京都”へ。
お茶屋BARに行く。
京都と違って、ほっとする。素人の若い若い人がたくさん。
京都だと、旦那衆や遊び慣れた人ばかり。ここにいるのは普通のお客様。
「照葉」の女将、吉川さん。
とってもやさしい金沢弁が、まぁなんとも言えない。
「社長、この近くに引っ越しておいでよ」
着流しでウロウロ、”あちきぃ”なんて、はぐれ雲のように・・・。
あぁ、仕事なんてもうどうでもいい、なんて思った瞬間、
真由美さんが、「帰りますよ!」
夜9時半。ホテルに着いたのは10時。
あぁ、びっくり!こんなに早く寝るなんて!




