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2008年7月 4日 (金)

イネに肥料を与えるやり方として、独特の体系を持っているのが、「栄養週期」という農法を実践する人たちです。

齋藤訓之(さいとう・さとし)
ライター。外食記者から農業記者へ転身後、フリーに。中小企業としての外食業経営から、農作物、生産農家の最先端までを幅広く取材。本コラムでは理想論からは見えない、農業と外食が連携できる現実的な未来とは何かを、現場記者の立場から問う。


 イネに肥料を与えるやり方として、独特の体系を持っているのが、「栄養週期」という農法を実践する人たちです。独特の体系といいますが、これはマジックではなく、植物の生理を研究した上でたどり着いた基本中の基本というのが、彼らの考え方です。

 栄養週期では、イネだけでなく、どんな作物でも、発芽からある程度の大きさまで生長するまでの間には、肥料成分は一切与えません。イネの場合は、「赤苗を育てる」と言って、肥料を与えずに細く弱々しい苗を作ります。

 赤苗は、見た目ははかないほど頼りない苗ですが、栄養を求めて、猛烈な勢いで根を張る力を持ちます。そして、水田に移植し、これから体を大きくしていくという段階で初めて窒素肥料を与えます。すると、待っていましたとでも言うように、メキメキと力強く育ち始めるのです。

Photo011

写真:栄養週期栽培のために育てた“赤苗”

 作物は、移植初期に早く育つことは非常に重要なことです。これは、太陽エネルギーを十分生かすことができる体を早く作るということだけでなく、雑草よりも早く背を伸ばし、雑草への太陽光を遮り、競合に勝つというためにも重要なことです。

 生長した稲は、やがて穂を付けます。この、花芽分化始めるという段階を見逃さずに、与える肥料の種類を変えるのが、栄養週期実践の重要な手順の一つです。この段階では、窒素成分はピシリとカットし、代わってリン酸、次いでカリを与えます。体を大きくする段階では窒素成分が必要ですが、生殖(受粉)に向けて必要になるのはリン酸とカリだというのです。

 特にこの切り替えはタイミングが重要で、この時期、栄養週期を実践する農家は、毎日圃場を詳しくチェックし続けます。

 イネが受粉を終え、稲穂を充実する段階になったら、その終盤にはカルシウムを与えます。すると、稔りがよくなるのですが、ただ実が大きくなるだけでなく、中身が詰まったものになるということです。乾物重量といって、作物を乾燥させた後の重さを計ると、一般的な栽培に比べて、栄養週期による栽培の方が、はるかに重量があるということです。

 このように充実した実は、イネだけでなく、イモ類や果実でも、味が濃く、しかも日持ちがよいものとなります。

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2008 07 04 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

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